2016-10-29から1日間の記事一覧

フェミニズムとルソー

「近代史を飾るフランス革命で「人および市民の権利宣言」が公示された2年後の1791年には、オランプ・ド・グージュが、「人および市民」には女性が含まれていないことに抗議して、「女性および市民の権利宣言」を発表し、 「女性は自由に生まれ、男性と同じ…

ホーン川島瑤子「フェミニズム理論の現在」

「近代的人間像を創出し、近代精神を確立した哲学者とされているデカルトは、 「理性こそが、人間を動物と区別し、人間たらしめる唯一のものであること」「理性は、真実と虚偽とを見分けて正しく判断する力であり、人々すべて生まれながら平等である」と述べ…

ラディカル・フェミニズムとは

ラディカル・フェミニズムにとって、性による抑圧は、あらゆる抑圧の中でも(すなわち、人種、階級等による抑圧よりも何よりも)最も根源的、第一義的、普遍的である。ラディカル・フェミニズムは、性による抑圧の分析において、マルクス主義の「階級理論」…

エンゲルスとフェミニズム

「私有財産制の登場」はまさに女性の世界史的敗北であった。一夫一婦制において、個々の家族が経済単位になったが、女性は生産活動から切り離され、女性の家事労働は部族のためという公的性格を失い、夫である男に対する私的サービスとなった。妻は単なる男…

フェミニズムと男性

「アウグスト・ベーベルの『婦人論』(1879)は、女性問題についての最初のマルクス主義による分析とされている。本著では、女性問題は、結局資本制分析のなかに組み込まれ、女性独自の解放運動ではなく、女性たちに労働者運動への参加を呼びかけた。」 これ…

フェミニズム

「イギリスでは、産業革命の進展が最も早く、伝統的社会秩序は崩され、女性も賃金労働者となったり、家族という保護から放り出されて都市で放浪する女性や、売春によって生活する女性が大量に出現した。賃金労働者となった女性も、著しい低賃金ゆえ賃金だけ…