北朝鮮、韓国の統一シナリオと新冷戦構想

 まず、なぜ北朝鮮金正恩が暗殺、あるいは不慮の病死によって、権力構造に激変が起きたことをきっかけとして、権力が地方軍事政権によって分裂し、南部の小政権と韓国が協定を結んで、軍事統一するという流れになった場合、かならず、統一韓国は、中国との協調を選択して、米国から離反する。

 そうせざるを得ない。理由のひとつが、中国は現在のTHHAD制裁どころではない強力な脅しに出るし、また、中国のベトナム侵攻という過去の歴史的教訓からも、韓国は米国から離反して、中国に事大せざるをえない。

 

 中国は中国で、米国と軍事同盟下にある韓国と国境を接することは絶対に容認できないのである。

 では、米国の立場はどうか。

 米国が現在のように、経済的繁栄を維持、存続し続けるためには、少なくとも、当面は、日本との技術強力、金融協調の持つ意味は非常に大きく、韓国との協調がもたらすメリットは非常に小さい。

 米国がフィリピンから撤退した理由もそこにある。

 こうして、韓国国内にマルクス主義思想の勢力が根強く残り続け、普通選挙の名の下に中国との友好を選択するというのであれば、米国としては、韓国から撤退して、日米韓同盟を放棄して、中韓対日米の新たな冷戦時代に踏み込むのが賢明な選択といわざるを得ないし、また、これは日米にとって十分に勝ち目のある選択といえる。

 

 なぜなら、南シナ海を封鎖された場合でも、太平洋経由で米国のシエールオイルを日本に供給する条件が整備されつつある。

 逆に米国の大陸横断鉄道、航空機などのインフラ分野には、日本の素材産業による供給が不可欠である。

 これに対して、中国、韓国ともに、欧州、中東、アフリカ向けの完成品は、ほとんどすべての分野で日本の部品、レアガスの供給が絶たれれば崩壊すると言っても差し支えない。

 ましてや、韓国の経済構造におけるサムスングループの崩壊イコール韓国経済の崩壊といっても差し支えないいびつな構造が致命傷となる。

 もちろん、日米にとっても、中国韓国にとっても、本格戦争は避けざるを得ない。

 避けざるを得ない理由は、中国韓国にとって、日米連合との長期戦は、明らかに敗北を意味するから、開戦自体意味が無く、日米にとっては、短期戦であっても、少数の国民が死傷しただけで、政権が持たないから、中韓、日米ともに、先制攻撃はありえないし、本格好戦も双方がかならず回避しようとする。

 

 となれば、あとは、ソ連が内部崩壊したように、経済戦争を強力な自覚のもとに闘う自覚が日米の側に確立されるか、問題はそれだけである。

 もちろん、ここで足をひっぱるのが、現在の日本の野党共闘勢力ということになる。

 日本の一部に根強い、自衛戦争よりも被支配を選択すべきだという絶対平和主義は、次のような未来を意味する。

 日本全域における中国共産党憲法と法制の施行。

 中国人の大量流入

 中国人および在日韓国人の上層階級独占と旧日本国籍人の下層階級化であり、抵抗する者の政治犯収容所への収監である。