北朝鮮との思想闘争の歴史

 日本にやくざチンピラ、広域暴力団オレオレ詐欺集団、窃盗、強姦犯罪があり、中東、インド・パキスタンに女性の人権抑圧があり、韓国が売春と詐欺の大国であるように、人間の道義、非道はどの国の国民にもある。

 戦争時代、慰安婦を買わなかった日本人もいれば、買った日本人もいる。

 戦争時代、日本女性を強姦したり、日本のパンパンガールを買ったアメリカ兵もあれば、いっさいそのような事をせず、紳士的に身を律したアメリカ兵もいた。

 

 共産主義国家は、一党独裁と権力の集中ゆえに、個々の人間の悪徳を、弱い人間、権力を持たない生活者を飢餓に追い込み、これに抵抗する良心的知識人を刑務所送りにする制度である、その必然性をチャン・ユン(ユン・チアン)の「ワイルド・スワン」は、非常に簡明に描いた傑作だ。

 

 共産主義社会であれ、資本主義社会であれ、社会の桎梏の中で、弱者の被害を明るみに出して、救出に向けて、貢献した者と、弱者の救出への願いに知らぬふりをする党派的な行動をする酷薄な人間は、いつの時代にも、どの国にもいる。

 

 北朝鮮の国家犯罪を暴き、被害者を救出しようと微力を尽くした人と、被害者の声を聞くまいとした日本人の二通りが確かにあったのである。

北朝鮮の国家犯罪を暴いた貢献者 1

 大阪朝日放送の記者、石高健次氏

 1995年、韓国安企部高官に取材して、拉致疑惑をキャッチ。

 取材を重ねて、テレビドキュメンタリー番組で拉致疑惑をとりあげる。

 1996年には、「金正日の拉致指令」を出版

北朝鮮の国家犯罪を暴いた貢献者 2

 現代コリア研究所 佐藤勝巳氏

 佐藤勝巳は、北朝鮮帰国運動を進めた自分の大きな過ちに気づき、その後、北朝鮮の反人権的実態の情報収集と公開に努力し続けてきた。

 そんな中、佐藤勝巳は、石高氏が取材して公開した「13歳の少女の拉致事件」について、それが「20年前に新潟で起きた女子中学生行方不明事件の少女の事ではないか」と気づく。新潟在住の友人に20年前の新潟日報の記事を捜索してもらい、ついに、それが横田めぐみさんであることをつきとめる。

 北朝鮮の国家犯罪を暴いた貢献者 3

 以上の経過を受けて、西岡力氏は、韓国政府に対して、脱北の元工作員と会って話を聞く事ができるよう、要請する。

 

 また、国会議員、西村真吾に事態を説明して、国会質問をするよう、働きかけた。

 北朝鮮の国家犯罪を暴いた貢献者 3

1980年には、産経新聞の記者、阿部雅美氏が新潟県柏崎市の駅前に「アベック失踪事件」を知りませんか」というプラカードを持って、立った。

 そこで知り合ったタクシー運転手が、失踪した被害者の遠縁だったことから、阿部雅美氏被害者の失踪の詳細を家族から聞く事となった。

 

 北朝鮮の国家犯罪を暴いた貢献者 3

1988年には、日本共産党の橋本敦参議院議員の秘書、兵本達吉氏は、金賢姫の「李恩恵」先生は,拉致された女性という証言を聞いて、独自に調査。

 参議院予算委員会梶山静六国家公安委員長の見解を引き出し、「1978年の6人については、拉致の疑いが濃厚でございます」と言わせる。

 

 この時、日本共産党赤旗はこの件についての掲載に消極的だった。

 

北朝鮮の国家犯罪を暴いた貢献者 4

 1997年には、朝日新聞系の週刊誌「アエラ」にも、骨のある記者がいて、朝鮮総連北朝鮮への不正送金を取材して、朝鮮総連系の人物に怒鳴り込まれていた。

 

 さて、これに対して、北朝鮮の国家犯罪を隠蔽しようとした人たちである。

 北朝鮮擁護者 1

1997年10月日本の外務省アジア局長が「拉致疑惑は北朝鮮の亡命者以外に証拠がない」と、拉致に疑問を呈し、そのくせ、積極的に警察記録を参考にしようとはしなかった。

北朝鮮擁護者 2

1998年

 自民党の中山正輝は、拉致議連会長だったが、北朝鮮を訪問すると、「北朝鮮への食料支援を拉致問題と切り離す、と表明。

 

北朝鮮擁護者 3

 同じ1998年、自民党幹事長代理、野中広務は拉致疑惑があっても、コメを送る、と発言。

北朝鮮擁護者 4

 

 自民党木村俊夫外務大臣は、パクチョンヒ大統領狙撃事件直後、「韓国には北朝鮮の軍事的脅威はない」と発言して、あたかも、北朝鮮のテロが韓国側の自作自演であるかのような当時の左翼の言説と同レベルの間抜けた見識をさらして、韓国の保守派の憤激を買って、韓国は北朝鮮批判よりも日本批判に沸騰して、北朝鮮の思うつぼにはまった。

 北朝鮮擁護者 5

 自民党金丸信は、1991年5月、埼玉県警の拉致被害者特定についての記者会見に圧力をかけて、記者会見をひらかせまいとした。

 

 北朝鮮擁護者 6

 自民党で特にコメ支援に積極的だったことで有名なのは、中山正輝、野中広務幹事長代理、加藤紘一幹事長、山崎拓政調会長である。1995年、50万トンのコメを支援した。

 野中広務はその後も、コメ支援の姿勢を強めたが、その背景には、野中の選挙後援団体の京都の農協幹部が北朝鮮に96年9月、97年4月、7月、8月、12月と再三北朝鮮を訪問しては、歓待を受け、京都農協の発議で全国農協連合会が政府与党自民党北朝鮮へのコメ支援を陳情したことがあった。

 彼らは、拉致被害者への同情はまったくなかったのだ。

 森善郎総務会長も拉致問題には無頓着に、国交回復とコメ支援の路線に乗っていた。

 

 また、このとき、東京新聞北朝鮮に批判的で、「朝日」「毎日」は、「北朝鮮を改革開放に誘導するべきだとして、とにかく「コメ支援」「国交回復」に前のめりだった。

 

 北朝鮮擁護者 7

 埼玉大学教授、吉田康彦は、1997年7月5日号「アエラ」で、「拉致疑惑は、韓国安全企画部の謀略と断言した。

 

北朝鮮擁護者 8

 コリアリポートの辺真一は、脱北亡命工作員は信用できないと、盛んに横田めぐみさんの拉致生存を否定、単なる行方不明扱いにしようとした。

 

北朝鮮擁護者 9

 1997年8月号中央公論では、重村智計毎日新聞論説委員が「コメ支援すべきだ」と発言。

 

 1997年9月号「世界」では、小此木政夫が、「北朝鮮の内部崩壊は日本にとって危険だから、経済支援するべきだ」と主張。

 

小此木政夫は、97年8月号 「THIS IS読売」でも、「食料支援を拒否しても、拉致被害者は戻らない」と支援を求めた。

 

北朝鮮擁護者 10

社会党の高沢寅雄は、1976年に朝鮮総連国税庁幹部を仲介して、「朝鮮商工人とのすべての税機問題は朝鮮商工会と協議して決める」という密約を成立させた。

 これが、朝鮮総連朝鮮人商人をひきつける協力な要因になり、総連が脱税指南して浮いた金が北朝鮮に送金されて、一党独裁国家を延命させた。

 

 1990年の北朝鮮への送金は、実に年間2000億円に達していた。

 それが、日本社会党の仲介した国税庁と総連の税徴集上の密約によって可能となった脱税から捻出された資金から送金された。

 

 ついでに書いておくと、

 朝日新聞植村隆記者は、「半島で日本軍による強制連行はなかったと思う」と朝鮮日報の記者に言っている。

 植村隆元記者の問題は、「だから、僕の見方は、多くの韓国人の見方とはちがいます」と言わないその法惰にある。また、韓国の新聞記者も、植村隆氏の発言は韓国の慰安婦論調とは本質的に異なることを薄々知りながら、では、あなたは、われわれ韓国の考えとは違いますね、とは言わないところがまた、不誠実である。

 

 慰安婦プロパガンダの歴史

176ページに「慰安婦動員二万人計画が書かれてあった」と、千田夏光が、現代史家の加藤正夫に発言。そして、島田の本には、実際には、原善四郎参謀が約1万の女性をかきあつめて、「営業させた」と記載されているので、当初から、「営業」という認識があった。

 

 この著書に、千田夏光は、「実際に集まったのは、8千人」と記載。

 

1985年には、山川出版社朝鮮史」では、数十万人の12歳から40歳までの勤労動員と記述され、これが後に。12歳のいたいけな乙女がレイプされたと変化していく。

 また、この「朝鮮史」も、慰安婦自体は、日本女性のほうが多かったことを省略している。 

1986年平凡社「朝鮮を知る事典」で、「約20万人の朝鮮人女性が労務動員され」とあるが、これが「女子挺身隊の名のもとに」という奇妙な表現であったために、その後、「挺身隊の名のもとに、慰安婦に」というねじれた表現に変化し、労務動員20万人が、慰安婦20万人に変わっていった。

 この事典では、慰安婦の数は5万人から7万人と推定されていたが、おかしなことに、この事典の説明に、日本人女性の慰安婦の存在が省略されていることだった。

1992年、19世紀アフリカの黒人奴隷狩りの手法で人間狩りがおこなわれた」となった。※朝日新聞も、植村隆も、こうまでは考えていないのだが、「われわれは、奴隷狩りのようなことがあったとは考えておりません」とは、一度も言っていない。

 ただ、遠まわしに「慰安婦は事実」というのみなのである。

  • 1993年岩波ジュニア新書石川逸子著「従軍慰安婦にされた少女たち」
  • 1995年ジョージ・ヒックスの英語普及版「コンフォート・ウーマン」

日本軍が性奴隷を強制連行したと英語で出版

  • 2014年刊日本共産党中央委員会出版局「歴史の偽造は許されない」は、軍による強制連行は、証拠隠滅されただけで、実際は、軍が強制連行したにちがいない、と記載。

これは、植村隆の軍による強制連行は、半島では、無かったと思う、と異なる立場に立つ。

 そして、昨今、朝日新聞吉田清治報道への謝罪以来、朝日新聞が世界に広めたという説が幅を利かせているが、わたしはそうは思わない。

 朝日新聞」ではなく、吉田清治本が、ソウルでベストセラーになった時、強烈なイメージが韓国の知識人、作家、脚本家に植えつけられたこと。このことの影響は計り知れない。今でも、韓国人は「トラックに乗せられていった」と信じており、朝日がそのように説明したわけではない。まさに、韓国人の固定イメージは、吉田清治のつくりあげたイメージに固着しているといっていい。

 だからこそ、韓国ドラマの「リプリー」のピンサロの男の名字は平山であり、平山とは、吉田清治本の人間狩り実行者の部下の名字と同一であり、「花嫁仮面カクシタル」で、慰安婦の乙女はトラックで連れ去られる