China史ノート 1 春秋の晋 2

驪姫(りき)は、献公の寵姫であった。

最初、側室となったことに怯えていたが、だんだん増長。

ついに、太子を罠にかけて自死に追い込んだ。

「太子さま、殿様はあなたの母上の夢を見ましたよ。

母上の御霊をお祭りしてあげなさい」

と言い、太子が母をお祭りして供物の肉をあげ、その肉を献公に差し上げるためにとっておいたところ、驪姫(りき)が肉に毒を混ぜさせ、献公に、「肉が少し古いかもしれません」と言い、目の前で、犬と茶坊主に食べさせた。

犬も茶坊主も激しく苦しみ、死んだので、

驪姫(りき)は「これは太子が毒を盛ったのでしょう。

こんなことでは、わたしたち母子も不安で仕方がない、他国に避難したら良いのでしょうか?」と献公に嘆いて見せ、

太子は恐れおののいて自殺してしまった。

献公が没して一カ月後、献公の部下の里克が反乱を起こし、驪姫りきと息子も、妹一族も殺害した。

 司馬遷は言う。太子は、驪姫りきに反論すると、父が悲しむと思って黙って自決した。悲しいと。